スカラーデータを扱う場合,変数を扱ってきた.数学でいうベクトルや行列(マトリクス)を扱うと
き,データの全体に名前をつけて扱い,これを変数に対して配列と呼ぶ.配列は1次元,2次元あるい
はそれ以上の次元をもつことができる.配列はプログラムの始りで配列の大きさを宣言しておかな
ければならない.配列の宣言は,以下のような書式で行う.
Dim x(6) Dim y(6) Dim s(6,6)
上の例では,図8.1に示されるような配列構造をもつ6元の要素をもつベクトル x, y や 6x6 大
きさをもつマトリクス s を宣言している.ちょうど幾つかの仕切をもつ菓子折の箱の一つ一つの枠に
データが格納されるイメージを表している.その箱全体を配列と呼び,枠を配列要素と呼ぶ.配列要素
は括弧内で記述される整数番号でその位置を特定できる.この表現は数学のベクトルやマトリクスの記
述表現と同一とすることができる.マトリクスを例にとると,配列要素 S(i, j) の添字 i, j をそれ
ぞれ行番号,列番号に対応させることで配列 s(i,j) と同じ構造をもたせることができる.
図8.1 配列の概念